ソーセージ型配合飼料でミナミマグロを養殖!
〜林兼産業の「ツナ・フード」単独給餌で好成績〜

 

 林兼産業(株)(山口県下関市、橋本鉄志社長)は、このほど、豪州において、ソーセージ型配合飼料「ツナ・フード」の単独給餌によるミナミマグロ養殖で、生餌給餌区を上回る好成績を得たと発表した。世界的にマグロ資源に対する規制が強化される中、原魚、餌の両面で天然資源への負荷がより少ないミナミマグロ養殖の実現へ向けて期待が高まっている。

 このマグロ用飼料は、林兼産業とマルハ(現マルハニチロ水産)が2006年に特許取得した世界初のソーセージ型マグロ用配合飼料(特許番号3776096号)。ツナ・フードは1.5kgUPのヨコワから使用でき、餌食いがよく、内容物が海に溶け出す心配がなく、さらに常温保管が可能(冷凍保管コストがかからない)という特長をもつ。日本国内ではすでに三重県の熊野養魚などで使用され、飼料効率等において生餌給餌区をしのぐ成績が得られたことが伝えられている。

 一方、豪州では、まき網で捕獲された天然魚を3〜6ヵ月程度肥育する方式のミナミマグロ養殖が行われているが、やはりエサは専ら生餌であり、しかもその60%以上を輸入に頼ってきた。防疫や環境保全の面から、10年以上前より配合飼料化を目指してきたが、成功していなかった。このため、ツナ・フードに白羽の矢が立ち、林兼産業は07年、豪州の飼料会社Ridley Aqua Feed社(以下RAF社)と製造技術およびライセンス契約を締結、ツナ・フード製造機械をRAF社に販売した。そして08年、サウスオーストラリア州ポートリンカーンのミナミマグロ養殖会社Australian Tuna Fisheries社(以下ATF社)において、同飼料による養殖試験が開始された。

 08年は3月から8月までは、300尾を対象に、一部生餌も併用しながらツナ・フードを与えるやり方で、生餌単独給餌区と同等以上の成績を得た。そして、09年は1月より約5ヵ月間、商業ベースの1生簀分約2000尾(開始時平均魚体重15.6kg)を対象にツナ・フード単独給餌を行い、体重・体長・肥満度・増肉係数のすべてで生餌給餌区を上回り、平均33.7kgの魚体重で出荷に至った。増肉係数(乾物換算)は、生餌区の4.3に対して、ツナ・フード区は3.2である。今回の結果を受け、ATF社のヘイゲン・ステアー会長は「この技術は豪州のマグロ養殖方法に革命をもたらす」とコメントしている。

 今後、RAF社はATF社へのツナ・フード供給を拡大するとともに、他の養殖場への普及も進め、来年は前年比約10倍の売上げを見込む。また、林兼産業では、豪州でのツナ・フード市場は2万t以上と推定しており、今後も現地での業務および技術展開を強化する。さらに、EUをはじめとする他のマグロ養殖国にも同様の展開を実施していく計画だ。

 

「ツナ・フード」

ミナミマグロへのツナ・フード給餌の様子(豪州・ポートリンカーン)