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ミツクリザメ
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ミツクリザメ
はミツクリザメ科のミツクリザメ属に属している。
日本では3種の呼名がしられている。
呼名と使われている地方(◎和名;○別名)
| 呼 名 | 地 方 |
呼 名 | 地 方 |
| ◎ミツクリザメ | |
テングザメ | |
| ○ゾオザメ | 神奈川県 |
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- ミツクリザメ(和名)
- 箕作鮫(ミツクリザメ)説
ミツクリザメは箕作鮫(ミツクリザメ)という意味で、箕作佳吉(ミツクリカチキチ)
という人物に捧げられた呼名と思われる。
本種は、明治の終わり頃、横浜に住む英国の博物学者、A.Owstonにより発見され、当時、
東京大学教授であった箕作佳吉に寄贈されたものである。
箕作は、1898年、本種を米国のオットセイ学会に持参し、D.S.Jordanに査定を依頼
している。D.S.Jordanは、翌年、この属名を箕作に捧げてMitsukurina,種名をOwstonに
捧げてowstoniとして、発表している。
ちなみに箕作佳吉という人は1857年、東京において蘭学者である箕作秋坪の第3子として
生まれ、15歳の時に慶応義塾に入り英文学を修め、翌年、大学南校に転じている。
後年、米人の教師ハリスに従って米国に渡り、イェール大学などで動物学を修め、さらに
渡英し、ケンブリッジ大学で研究を続けている。帰国後、東京帝国大学で動物学を講じ、
1903年に理科大学長となり、1909年没した動物学者である。この間、彼は神奈川県の
三崎に臨海実験所を設けたり文部省の調査委員になったりし、創始期の日本動物学会に
大きな功績を残している。
この魚は、一風変わった外見をした深海に生息する原始ザメの一種で、以前は、我が国の
相模湾と駿河湾の特産種と考えられていたが、現在は、その他の地域からも報告されて
いる。ちなみに本種は、1898年に初めて報告されて以来、1994年まで僅か36尾
(内23尾は日本産)しか捕獲されてなく、外国でも稀種であるが、昨年から
今年にかけて、東京湾の底曵網で盛んに捕獲されているというニュースがある。
現在、属名はMitsukurinaであるが、蒲原(1964)や日本魚類学会(1981)
などには、それがScapanorhynchusとなっている。
この属名は、約1億年前の白亜紀に生息していた原始ザメと同じ属とする考え方から
つけられたものであろうが、最近、その歯と鰭に違いが見つかり両者は別ものという
結論がだされている。
英名Goblin sharkは、人に害を与える醜怪な鮫の意で、その奇怪な外観より呼ばれた
ものではなかろうか。

- ゾオザメ 別名
- 象鮫(ゾオザメ)説
本種が白色に近い淡い赤灰色で、吻が柔軟な葉状で長く突出していること、吻部の
下面が上顎の前端より著しく後方に達しており、その間が深い窪みになっていることなどを、
哺乳類長鼻目のゾウに似ているとして呼名されたものではなかろうか。
以前、ゾオザメという名は和名として用いられており、田中・阿倍(1955)は
「ゾオザメScapanorhynchus owstoni(Japan)ゾオザメ科。本種をゾオザメと称する
は小田原付近の称呼であろう」と述べている。ちなみに、この長い吻は箆
のような役目をするといわれている。

- テングザメ
- 天狗鮫(テングザメ)説
テングザメは、天狗鮫(テングザメ)の意味で、前述のゾオザメと同じように
本種の吻部が長く突出しており、奇異なさまであることより呼名されたもので
あろう。天狗(テング)は、ご存じのとおり、深山に棲息するといわれている
人の形をした、顔が赤く、鼻の高い 神通力を持った想像上の怪物で、この呼名
は、本種の他にもテングザルのように、鼻の突出したものにはつけられることが多い。
その由来と思われる大きな口について、蒲原(1964)は、「この魚は、体
の割合に歯が非常に小さく、米粒の半分位で、鰓耙はクジラのそれのように細長い
ことから、小魚などを海水と共に口にいれて、鰓耙でこして飲み込むようである」
と述べている。英名Whale sharkは、クジラザメの意味で、本種の特徴をよく表して
いる。

- サメ
- サメ類の共通呼名説
サメは、サメ類の共通呼名と思われる。この呼名について、矢野(1976)は
「高知県浦戸の漁師は、ジンベエザメだけをサメと呼び(他のサメはすべてフカ)
漁船を噛み沈めるといって恐れている」と述べている。

- ジンベイザメ 別名
- 甚兵衛鮫(ジンベエザメ)の転訛説
この呼名は、本種の別名で、さかな異名抄(内田、1961)、新編日本動物図鑑
(内田、1979)、新日本動物図鑑(岡田、1981)、世界大博物図鑑(荒俣、
1989)、原色日本動物図鑑(津田、1990)等多くの書物には、本種のことが
ジンベイザメとして記載されている。
詳細はジンベイザメの項を参照のこと。

- ミズサバ
- 水鮫(ミズサバ)説
この魚の体色が、海水の色に混ざり、見えにくくなることより呼名されたものでは
なかろうか。

- ヤスリザメ
- 鑢鮫(ヤスリザメ)説
本種の体表に、ザラザラとした3尖頭の小さな粒状の鱗があり、表皮が鑢として
用いられることにより呼名されたものではなかろうか。